魚取りレポート2002 採集に感じたこと
6月23日、紀伊半島南端に近い、とある小さな港付近の磯にフラッと寄りました。潮溜まりに大きなミドリイシがあったりと、かなり熱帯の感じがする磯でした。そこで見つけた魚は、小さなルリスズメ一匹でしたが、何か居てそうという期待感あふれる磯でした。
しかし、そのひっそりとした小さな港は、怪しげな雰囲気で、なんやら住民の目つきも悪く、小さな子どもたちを連れた私たち家族を終始にらみ付ける様な若い男も居ました。
確かにその磯には、潮溜まりでも何匹かのイセエビも見かけたし、多分密猟者も多いんでしょう。岡の上から双眼鏡で見張っているおじさんも居ましたし。
私たちも、何か悪さをしにやって来たと思われていたのか、極端に排他的な村なのか、そんな顔しかできない人なのか..悪いことはしていないので、堂々としていましたが、かなり気分が悪くなりました。
磯によっては、愛想よく、話をしてくれる地元の人に出会うこともありますが、殆どの場合、快くは思われていないように思います。渡船の磯釣り客やダイビング客と違い、あまり地元でお金も使いませんし、漁業権に関わるような密猟者とよく似た格好で採集しますし、、、そうだ、「イセエビ、アワビ、ナガレコ採りません!」って大きく背中に書いたTシャツを着用しようか、なんて変なことも考えたりしました。
和歌山県最南端の串本町では、ゴミをポイ捨てする町民や釣り客や観光客に対して、付近を清掃を命じる条例が制定されるそうです。直接海を汚すような行為は論外といえますが、こういった条例が制定されるという社会的背景や風潮を考えると、魚採りという趣味を持つことはにはそれなりの覚悟と信念がいるのかな、なんて、ふと考えてしまいました。
今年初めてのフウライチョウチョウウオ、一円玉サイズ。たしか、去年初めてフウライチョウチョウウオを捕まえた潮溜まりに居ました。居心地がいいのでしょうか。
■ソラスズメダイ■体長1cm。
何度見つけても、美しさに思わず息を呑む。残念なことに、捕まえてしまうと、輝くコバルトブルーが少し、黒っぽくくすみます。
■イソハゼ■体長4cm。
南紀の磯ではよく見かけます。透き通った深緑、青緑が綺麗です。渋めの色ですな。ベラとは対照的で、あまり動きません。
■コガシラベラ■1cm。
サンゴイソギンチャクの周りでウロウロしておりました。クギベラもそうでしたが、広い潮溜まりの中でも、彼らの狭いテリトリーから離れられないようです。上のハゼとは対照的、逃げ隠れしても直に戻ってきてくれます。あまり綺麗写真は撮れていませんが、実際は白と黒のコントラストがかなり美しい。
■ルリスズメダイ■2cm
潮溜まりで見つけたときはたまげました。あまりにもコバルトブルーが美しく、青い光を放っているようでした。目立ちすぎます。ソラスズメやネズスズメなどとは比べ物になりませぬ。写真は原因不明の突然死の直後。グレの稚魚ではありません。
記念すべきチョウチョウウオ。娘らが初めて捕まえました。妹が待ち伏せ、姉が追い込んだそうです。親ばかですな。
子どもらが捕まえると後が怖い。もし、死んだら、しばらく言われ続けます。