Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2003 The ニジハギ

9月半ばの3連休。8月程の勢いはなく、14日、一日だけ、またまた中紀のKに行きました。この間は、ミスジも採ったし、今度こそサザナミヤッコでもいないかなあというのが本音です。

サザナミヤッコのいそうな岩棚や穴をのぞいて見ますが、なかなか思惑通りにはいきません。いつもどおり、ナミチョウ、チョウハン、トゲ、フウライは見かけます。

それにも増して、よく見かけるのが、ニジハギです。9月も後半になれば、中紀、南紀でも姿をよくみかけるようになります。ニジハギがよく居るのは、波が打ち寄せて泡の立つような流れの速い、急に浅くなったような岩場です。

ハギの仲間で言えるのは、泳ぎが素早くて、追いかけても、まず捕まえられないということです。じわじわと網に追い込むものでもなく、網を仕掛けて勝負は一瞬にして決まります。ニジハギという魚の習性を利用して、ゲットします。

運良く、タイドプールで見つけた場合は、囲い網が最も効果的です。たいてい、石の下などに隠れ込むので、その石を網で囲えばいいのですが、シマハギと違い、なかなかニジハギはタイドプールには入りません。

先ほど触れたように、ニジハギは波の打ち寄せる流れのきつい場所に多く見られるので、囲い網は使いづらいことが多いのです。そこで、利用するのはニジハギの習性です。ニジハギは、そんなに臆病な魚ではなく、近づいたくらいでは逃げません。ある程度、間合いを詰めていくとニジハギは岩の下や穴の中などに素早く隠れ、しばらくじっとしています。そして、危険が去った事を察知すると、また同じ場所に出てきます。

隠れる場所は、さまざまですが、また出てくる場所は同じところです。ですから、失敗してもやり直すことが可能です。

動きの早いニジハギを捕まえる原則は、ニジハギの逃げ道出口に網をあてがい、隠れこんだニジハギを追い出して、網の中へ突進させることです。ですから、ベストな状況というのは岩の割れ目などにニジハギが逃げ込み、ちょうどその出口に網をあてがって、手や追い出し棒を隠れたところに突っ込んで、ニジハギをビビらす。あとは網に一直線という感じです。

常にそんないい状況がそろうとは限りません。石の下に逃げ込んだりすると、逃げ道は四方八方にあるので、すべてを網で覆い尽くすことはできませんし、あまりに大きな岩の下や、大きな石がゴロゴロするような場所でも逃げ道は無数にあります。

それゆえポイントは、出来るだけ出口の限られた隠れ家に逃げ込むように仕向けることと網の枠の形を変形させられる網を作ることだと思います。

そこでニジハギの習性が利用できます。ややこしい所に隠れこまれても、しばらくしたら元居た場所に戻ってくれますし、次のトライではその隠れ家の方向からニジハギを追いやって別の場所に隠れるように仕向けます。そして、動きが素早く直線的なだけあって、チョウチョウウオのように網の隙間を見つけてすり抜けるということが少ないので少々乱雑に網を出口に設置しても、気がついたら網に入ってたなんてこともあります。

昨年の8月、南紀の巨大なタイドプールの転石地帯で初めてニジハギという魚にに翻弄され、それ以来どうも気になる魚になっています。今回は、以上、私の浅い経験から、ニジハギ採りについて、感じたことをまとめてみました。

今日はニジハギ2匹と、チョウチョウウオ少々という結果でした。

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