Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2004 4.緊張と自己陶酔

先週末は仕事だったため、この週末は12日ぶりの休み。それでもって、大潮で潮が干くとあっては、無茶無茶期待は高まります。「大潮はそんなに期待すな。」という教訓もわすれて、7月17日中紀のホームグランドを目指しました。

しかし、やっぱり教訓通り、期待して行く大潮にはあまり目ぼしいものは居ません。ナミチョウソラスズメ、セダガスズメなどちらほらという感じです。初めてこの魚たちを採ったときの状況や感動は今でもはっきりと覚えていますが、今は見慣れた魚になってしまったのであまり心が動きません。何も採らぬまま、何時間も過ぎていきます。

暑くて、少々だれ気味、岩の上でへばっているところへ、目の前の潮溜まりの小さなシマハギが目に入りました。今年初、ということでトライ。予想通り、近づくと、石の下の消しこみます。おそらく逃げ道になるであろう方向に網を構え、逃げてほしくない方向から豪快な右手さばきで網の方へ追いやります。予想通り、一直線に網に網の中。緊張感がないと腕がよく動きます。

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次は転石地帯で、少々大きめのクギベラ。転石地帯でクギベラを採るのは運です。少し見渡すと、転石地帯の少し向こうに石のない岩場が少しだけあります。ここに追い込めたらゲット可能です。クギベラはすぐに石の下にもぐりこむので少し距離をとりながら、決して嚇かさないようにして、誘導です。姿が消えてもじっと待ちます。姿を消した場所からたいてい半径50センチ以内の場所にまた出てくるので、不用意に石などめくりに行きません。辛抱して間合いをとりながら、岩の場所にうまく追い込めました。あとはすばやく岩の形にフレームを合わせ、大胆に左手で追い込むという私のスタイルで採れました。前回も採っているためか、やはり緊張感がないと、我ながら素晴らしく思える戦略と網さばきが可能です。かつて、小さな潮溜まりで何時間も翻弄された事が懐かしく思われます。

初めてのソラスズメ、初めてのチョウチョウウオ、初めてのサザナミヤッコ。初めて見つけた綺麗な魚を採るときの緊張感は最高ですが、そうそう毎回、味わえるものではありません。目標の獲物に出会えなかったとき、見慣れた魚の行動を観察して、戦略通りに魚を採る。それで自分に酔ってみる。この趣味は、こんな楽しみ方もあったのかと気づいた今回の採集でした。

一言 「採集で自分に酔う」