Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2005 22.チャンスは一度...

10月も末になれば、朝晩の冷え込みで海に潜るのをためらい、子供らを誘っても「行けたら行く...」という素っ気無い返事が返ってくるようになります。少々強引に誘って、10月30日(日)家族で南紀の磯へ行きました。潜っている辺りで釣りをして待っていてくれます。

今日は寒さ対策にウエットスーツの下に下着を着込んで海に入りましたが、思ったより暖かく快適です。魚も沢山居ますが、これという獲物はなく、まずは黄色が鮮やかなミナミハコフグをつかまえました。この時期になると、ミナミハコフグはピンポン球くらいの大きさになっており、ハコフグとはっきり区別できます。初夏の頃によく見られたパチンコ玉サイズではハコフグとミナミハコフグが区別しにくく、ミナミハコフグと思って採っても水槽に入れると数日で黄色が抜けて白っぽくなったり黒ずんだりしてがっかりします。今シーズンはミナミハコフグと思って沢山つかまえましたが、黄色のままで残ったのは一匹だけでした。

浅いところを中心に探していると、ハマサンゴの辺りにヤリカタギ発見。頭部と腹鰭のレモン色が輝いています。しかしよく見るとこのヤリカタギは尾鰭の辺りに傷が見られ、ヤリカタギ特有のキビキビした動きがスローで少しぎこちなく見えます。「この魚は採っても採らなくても近々死ぬはず。それなら採るべし。」

傷物の魚ゆえ、複雑な気持ちでアタックしますが、思ったより逃げ足は素早く、近くにあるテーブルサンゴとの間を行き来して、やっとこさゲットできました。

 

次はヤリカタギを追いかけている途中見つけた小さなメガネスズメダイ。追い出し棒を突っ込んでも出てこない住処の穴に何度も逃げ込まれますが、その都度しつこく追い出し棒を突っ込み続けると、住処の穴を放棄して小石の下に逃げ込みました。これであっけなく網の中へ収まってくれました。


他にこれという魚は見当らず、先ほどからチラチラと視界に入ってくるツノダシが気になってきました。しかし、駄々広いこの磯では追い詰めようがありません。追いかけてどこか岩の下にでも逃げ込んでくれたらチャンスがあるのにと思って手を出しますが、横向きにヒラヒラーと泳いで逃げていきます。無駄に体力を消耗するだけなので深追いしませんが、ふと周りの状況に目をやると丁度湾の入り口付近にツノダシが居ます。

チャンス到来、一旦ツノダシから距離をとり、沖の方からじわじわ湾の奥のほうへ追い込んでいく方法を思いつきました。あまりに距離を縮めるとヒラヒラーと翻って大海の方へ逃げられしまうので、慎重に慎重に誘導するような感じで奥へ導きます。

思惑通りツノダシは袋小路に入っていきました。かなり両サイドが狭くなってきた辺りで、そろそろ自分がヤパイ状態にあることに気づいたようです。しきりに私のほうを見ては逃げ出すチャンスをうかがっております。ツノダシの緊張が移った私も焦りだしてしまい、どの辺りまで追い込むべきか悩み始めました。多分、どこかのポイントでツノダシは強行突破に出てくるでしょう。それを見極めるまでジワジワ行けばよかったのですが、中途半端に勝負に出てしまい、あっけなく逆をつかれ、私のブロックを通り抜けたツノダシは再び大海へ泳ぎ去ってしました。

 

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追いかけても、追いつくはずはありません。その後何度か同じように湾へ追い込むようにしますが、学習したツノダシは二度とは誘導されませんでした。

いつものことですが、吐きそうになる程体力を消耗しきって、本日は終了。