Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2007 1.トラウマ

8月12日日曜日。去年にも増して遅いスタートとなってしまった。網の手入れも十分でなく、待ちきれずにというワクワクした気持ちもなく、何やら義務感のような腰の重たさであるが、それでも行くときには、スダレが居るかもとか、いきなりウズマキ採ってしまったらどうしようなどといらぬ心配をしてしまう。

今日は私と子どもら3人というメンバーで出動。子供らは久々の海ということで燃えている。しかし、この頃はいい魚を採って、お小遣いを貰おうという少々邪まな考えが入っているのである。

8月も中旬になれば、磯は華やかで、手始めにビー玉大のミナミハコフグを掬った。サンゴの周りには10センチ程度のトノサマ、ニセフウライ、アケボノが目に入るもののなかなかいいサイズがいない。ようやく枝サンゴに手ごろなトノサマを発見し、トラップにて2匹ゲット、ついでにニセモチノウオも付いて来るというツキようでうある。すっかり気をよくしていると、キクメイシを突っついているミナミちゃん、発見。ハタタテダイの方である。水深は3m半くらいで私にしては深いが、採り易そうな場所にいるので(見つけた)=(採った)のような気分になっていた。

岩陰に隠れこんだのを確認し、逃げ道に誘導を試みるも、引きこもって出てこない。ミナミハタタテダイはじっと引きこもるタイプなのだろうか。逃げ道の設定が間違っていたのだろうか。一度見失ってからサイド発見しトライするも、うまくいかない。今日は暑いのでウエットスーツを着用せず、ウエイトも着けていないのでどうもうまく潜れない。それに酔い止めのトラベルミンも飲み忘れてしまっている。やはりシーズンの初めは段取りが悪いのである。だんだんと吐き気が強まり、魚どころではなくなってきた。

息も絶え絶えという感じで陸にたどり着いたときには嘔吐。どうも、私の魚採りは嘔吐との戦いのようである。しかし、それにしても今日の吐き気は強い。来て一時間とたたないがもう帰りたい。それでも浅瀬で休んでいると少々気分も落ち着き、手ごろなサイズのスミツキもいい場所にいたので運良くゲットできた。だが、もう潜りたいとは思わなかった。

ところで、磯でうまく魚の採れない次女(小6)は焦っていた。来週、町内の夏祭りにいく小遣いが不足しているために、何とかいい魚(去年たまたまサザナミヤッコを採ったので、また採れると思い込んでいる)で臨時小遣いを得るつもりでいたのだが、ソラスズメ一匹採れない様子。「ここはあかん。いつものとこ、行こ!」と目が血走っている。「いつものとこ」とは潮溜まり中心の場所である。私も、潮溜まりなら吐く心配はない。午前中はこれで終了。お姉ちゃん(中2)はしっかりチョウハン採っていた。

午後、潮溜まりの水は温かい。しかし、潮溜まりには殆ど魚がいない。次女も諦めたらしく、長男(小4)と深い潮溜まりで飛び込み大会をしている。私は、午前のダメージであまり熱心にやる気もなく、プカプカして過ごしていた。が、コツコツ探していたお姉ちゃんがサザナミ発見したと叫んでいる。にわかに元気になり、「よっしゃ」と自信満々で出動。採りにくそうな場所にいるが袋小路。取れて当たり前の状況である。それなのに翻弄されまくり、なかなか網におさめることができない。しばらく魚を採っていないとかくもうまくいかないものなのか....素直にお姉ちゃんの助けを借りて、何とかゲット。今日の網捌きに全く余裕はなかった.....それにしてもどういうわけか、サザナミ採ったので次女は自分の手柄のようにお小遣いくれるものと思い込んでる。

私の方はその後吐き気で困っている。レポートを書いているときでも、状況を思い浮かべると吐き気を催してしまう。ミナミハタタテダイの姿を思い出すとである。まさに条件反射のようで、この先、また潜る事ができるのだろうかとちょっと弱気になっている。

 

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