Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2006 10.ナメラ

10月1日日曜日。早朝から、ヨッシーさんと初めての採集。この日も地図上で前々から気になっていた場所、新規開拓である。6時ごろ現地到着。崖を下ってたどり着く、まさに秘境のような場所である。潮通しがよく、雨が降っても濁りとは程遠いような場所、潜るとテーブル珊瑚も美しく、いかにもレアな魚があふれいそうな感じであるが、期待に反してナミチョウやフウライしかいない。一旦陸に上がればヨッシーさんは潮溜まりで大きなハタタテダイを採っていた。さすがに秘境。でも魚は少ない。気を取り直して、再度チャレンジ。大きな岩穴を何気なく見ると3本線、サザナミヤッコがいる。小さいので難なくゲット。更に奥、青が美しくなりかけの少し大きなサイズもチラッと見えた。他に狙う魚もなく、長い追い出し棒を使って、奥から手前に追い出し、何とかゲット。気がつけば、天気が変わり、雨が土砂降りになっていた。

秘境に見切りをつけ、この前、潮溜まりにアケボノが溢ていたというヨッシーさんのホームに向かった。アケボノの姿はなかったが、以前ヨッシーさんがナメラヤッコを見たと言う場所でナメラを探した。

ナメラはあっけなく見つかった。いつもは追い出し棒も届きにくい複雑な岩の亀裂をサザナミの3倍くらいのスピードで泳いでいるが、今回は逃げ込んでも尾びれが見えるくらいの浅い亀裂が棲処のようである。これを逃しては二度とナメラは採れないといえそうな状況である。ナメラがサザナミの100倍のスピードで逃げようとも大丈夫なくらいの包囲網で完璧、慎重に事を運び、初のゲット。散々にナメラにナメられてきた(ナメラは多分必死)だけあって、じわじわと喜びがこみ上げてくる。

波の穏やかな潮溜まり域から少し沖に出れば魚は居るが、波が立っていて数分で気分が悪くなる。いつものパターンである。珍しい動きをするスズメダイのみゲットし、降りしきる雨の中、徐々に寒くなり昼過ぎには終了。

じっくり見るとナメラは、地味だがなかなか趣がある。

 

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ナメラヤッコ5cm
絶えず動き回り、しかも素早く、なかなか採りづらい。
採るのに苦労しただけあって、白黒で何の変哲も無い魚とは到底見えない。
白と黒のグラデーションも趣があるが、目の周りの殴られた跡のような皮下出血様模様も只者ではないという風格を放っている。

 

 

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イワサキスズメダイ2cm
海で見つけたときは妙に目が輝いているように見えた。少女マンガに出てきそうな感じの顔である。 テーブル珊瑚の近くを直線的に動いては止まり、動いては止まりの繰り返しで、妙な泳ぎ方をする。

魚取りレポート2006 9.アケボノ

9月21日木曜日、最後の夏休み。毎年この時期になるとポリプ系のチョウチョウウオが欲しくなる。今回はポリプ系を目指して新規開拓、珊瑚のある場所での採集である。私の場合、新規開拓はたいてい成功している。たまたまツユベラを見つけたり、ナメラを見つけたり。しかし、2度は続かない。2回目に行っても魚は急には入っていない。よほどいいポイントに当たらない限り、何度も獲物をゲットできない。ただ、南紀まで来ればどこに潜っても、贅沢を言わなければ魚は居るものである。

今回も穏やかで波のない磯。珊瑚がポツポツとある。その場所も決して魚は多くはないが、アケボノ、チョウハン、シラコダイ、ツノダシをゲット。ポリプ系には巡り会えずである。アケボノは南紀でもさらに南へくるほど多い。中紀辺りでも漁港では時々見かけるが磯では見たことがない。すさみ辺りでも私は見たことがない。

アケボノは、ナミ、チョウハン、トゲ、フウライと同じく雑食で、珊瑚への依存度は少ないが、不思議と潮溜まりに入っていることは少ない。おそらく熱帯性が強く、潮溜まりのような温度変化のある環境には寄り付かないのであろう。

アケボノを狙うなら、黒潮本流から離れるなである。

 

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アケボノチョウチョウウオ
レモン色の縁が鮮やか。丈夫そうだが、案外気が弱くてデリケート。餌付けのときに二回りも小さいトノサマダイに威嚇されてやせ細ってしまったりする。

K-1デビューを果たしたアケボノが思うような戦果を挙げられなかったのは押し出しルールが無かったからだ。リングロープの代わりに有刺鉄線が張り巡らされていれば、結果は違っていたであろうが、魚採りとは関係ない。

魚取りレポート2006 8.汚い潮溜まり

9月9日土曜日。喉が痛くて体調もあまりよくないが、天気がいいので出かけてしまった。前回悪天候のリベンジである。2日前に比べると視界はずいぶんとよいが、局所波で気分が悪い。かろうじてミナミハコフグなどを少々採って、今日はおしまい。リベンジの意気込みも気分の悪さのためにあっけなく消えてしまっている。

一人で魚を採る僕が寂しがるであろうから、近くで釣りをしてくれていた子どもらが釣りの合間に潮溜まりでいろいろと魚を採っている。長男は、専ら釣り、小さなオキフエダイを釣り上げ、持って帰る気満々である。次女はネズスズメダイを採りまくり。これも持って帰る気満々である。長女は、釣りの合間に汚い潮溜まりで変わったフグを採ったという。変わったフグとは小さなサザナミフグ。ビー玉サイズである。ほとんど真っ黒というモノトナスな色合いは観賞魚としてはどうかと思うが、動かずゴミのように浮いている様が受ける人には受けるのだろうか、小さなサザナミフグはなかなか貴重だと私のよく行くショップ、アクアパルで最近聞いた。

 

f:id:sazanami-fmc:20180925183743p:plainサザナミフグ 1cm
殆ど動かないので、潮溜まりに浮いているとやはり弱ったオタマジャクシかゴミにしか見えない。ソウシハギマツダイと同じく浮遊物に擬態しているのだろうか。

澱んだ汚い潮溜まりが好きなのか、あるいはゴミと一緒に流されついた場末の潮溜まりに潜みんで、メジャータイドプールデビューの機をうかがっているのかはわからない。

このゴミのようにというのが今回のポイントである。サザナミフグを見たのはこれで三度目。一度は洗面器くらいの大きさの潮上帯付近にある汚い潮溜まりで何気なく見ているときに見つけたもの。もう一匹は漁港の岩壁にゴミにまみれて浮いていたものである。どうも、サザナミフグは汚いところが好きである。汚い潮溜まりとは、たいてい満潮時にしか海とつながらず、雨水と海水が半々くらいで、潮溜まりというよりむしろ水溜りというイメージであり、シマスズメダイやボラの幼魚がよく入るが、クロホシマンジュウダイを差し置いては汚い潮溜まりは語れない。

何といっても「糞食」魚である。キング オブ 「汚い潮溜まり」の称号はだてではない。時々コンゴウフグ(今まで一匹した採ったことはないが)とかも汚い潮溜まりに入るので、海へ行った際には一応チェックしたい。

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魚取りレポート2006 7.魚採り中止の条件

9月7日(木)、前日の夕方から夜中まで激しい雷雨にも、予てから夏休みを今更変更もできず、南紀魚採りを決行。台風のうねりが無ければ少々の雨は問題ないと思っていたが、道中の磯は河口付近を中心に半端じゃないほど泥水色に濁っている。漁港に流れ出る小川の水も、真っ茶色。この濁りは厄介である。

今日の目的地の近くには大きな川はないから大丈夫と高をくくっていたが、内湾になっていて普段波の穏やかなところというものは、たいてい小川が一つ二つ流れ込んでおり、やはり来てみると濁っている。

視界が1mくらいと悪い上に、波もあり、波に酔う私には最悪の状態。10分ほどで気分が悪くなり、せっかく今年初のシラコダイを見つけたがこみ上げてくるもには勝てず、ギブアップ。結局今日は潮溜まりに変更。

 

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いつもと変わり映えはしない....

 

■魚採り中止の条件 ■
採集を中止する悪条件の一番は台風。直撃は論外として、近づいてきたときのうねりはインターネットでの波情報である程度予測ができる。諦めるなり、波の影響の無いところを選ぶ事ができる。しかし、侮れないのが雨と風。この日の前日、紀伊半島中南部は記録的な雨。河川の増水で河口付近はドロ茶色。普段波の穏やかな湾になった場所はたいてい小川が流れ込んでおり、茶色とまではいかなくても視界が悪くなり、海に潜るのが全く楽しくない。
そして、風速が4mくらいになると、波情報では得られにくいような局所波が発生し、魚採りどころではなくなってくる。

日ごろの行いが悪いと週末の大潮やせっかくとった夏休みをめがけて台風や悪天候がくるので、一日一膳も大事だが、たくさんの採集場所を開拓して天候に応じて場所選びができるようにすべきである。

魚取りレポート2006 6.魚採りは気合か?運か?

8月26日(土)、3週間ぶりの海とあって、かなり気合が入っている。と言っても、早朝から出かけて何箇所か回るという行動に表わすわけでもなく、次女(いつも目標はパープルファイアーゴビーかウズマキと言っているが、採集には一番気合が入っていない)の作るお弁当の完成を待っての出発である。気合とはあくまでも気持ちの持ちようで、今回は疲労物質には負けてはいられないのである。

最初の漁港に着いたのはお昼前。かなり暑い。ナミチョウはチラホラ居るが、これという魚は居ない。そこへツノダシ発見。岸壁から1mくらい離れている。初めから無理っぽい状況である。案の定、網を入れたらどんどんと岸から離れていく。ツノダシの向こう側へ網を入れ岸壁で挟み撃ちにしたいところだが、網の速さが追いつかずヒラリとかわされてしまう。技術の問題か、網の問題か。時間の無駄とうことで早々に切り上げ、本日メインの磯へ。

磯に着くころ、急な雷雨に見舞われ、しばし車の中で避難。気温も下がり、女性陣は意気消沈し、車の中で待っていると言う(これが普通か)。サザナミちゃんが呼んでいるからと、雨の止むのを待ちきれず、息子(生簀もち)と2人採集開始。

入ったところでいきなりゴマアザラシを思わせるコクテンフグ発見。少々大きいが、愛らしいのでゲット。久々に見つけたので緊張して、採るのも慎重になったが、このフグは大変動きが緩慢で素手でも十分である。

f:id:sazanami-fmc:20180925180354p:plainコクテンフグ  10cm
海で見つけたときは白地に黒の斑点。ゴマアザラシを思わせる可愛らしい風貌であった。撮影時には警戒色で真っ黒になり、歯をむき出しにして怒っている。お世辞にも可愛いとは言えない。

水温も高く、波もないので今日は快適な魚採りができる。ウエットスーツを着ていないのでクラゲに刺されまくるが、それでも魚を採りだすと気にならない。今季初の、ニジハギ、チョウハンにトゲ、フウライと今日は順調に欲しかった魚が手に入る。後はサザナミちゃんだけ。

しぶとく居てそうなところを見て回ると、ついに3本線発見。何度見つけても、この瞬間は嬉しい。サザナミは見つけたら必ず採れるという傲慢さからきているのだろうか、採った時よりむしろ見つけたときのほうが嬉しい。

ところがこのサザナミの居る長いの亀裂は深くて、隠れこんでしまうところが多く、ガンガゼも寄らば刺すぞとばかりに睨みを利かせている。追い出し棒で魚を追うも、結局は左右に長い亀裂の中を行ったり来たりするばかりで埒が明かない。水深約2m。サザナミにしては深い。

浮いてくる体を固定するため、また、波に揺られてバランスを崩すために片手は岩をつかみ、もう片手で追い出し棒を振り回すが、肝心の網が持てない。タイミングを見て岩から網に持ち替えるが、粘れば粘るほど雑になってくる。ここで作戦変更。地味ではあるが、逃げ道にぴったりと網の枠を合わせてセット。波の揺れにも外れないように固定するのである。少しでも隙間があればそこから逃げられるが、あまり神経質になりすぎても時間を食うばかりである。

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しかしこの方法はよかった。後は追い出し棒さばきで亀裂の深いところから固定した網のところへ誘導し、完全に網の奥まで入ってしまうまで追いかける。片手で体を固定しているので、追い出し棒捌きにも余裕がある。それで、あっけなくゲット。前回は網捌きを重視したが、今回は追い出し棒捌きがポイントであった。ここで一日目終了。

2日目。早朝からまずは一人で散歩をかねて漁港。ハタタテが水面近くまで上がってきている。簡単に採れそうであるが、覗き込むだけで沈んでいく超警戒心の強いハタタテ。網を入れた頃にはどこに居るのかわからなくなっていた。結局、3匹見つけたうち警戒心の弱いのが一匹。これは簡単にゲット。

今日は潮溜まり中心のホームの磯。潮溜まりはクラゲに刺される事はあまりないが魚もいない。ナミ、フウライがちらほら居る程度である。オレンジ色がひき付けるのかトゲは結構真剣に追うが、フウライには気合が入らない。

子供のほうは、今回はようやくソラスズメをたくさん採るのはやめてくれたようであるが、3人力を合わせて大きなツバメ魚を採ってしまったらしい。しかも2匹。

いつもは潮溜まりが大好きな子供らも、さすがに潮溜まりに魚が少ないので魚の多かった昨日の磯に行きたいと言う。ツバメウオに調子付いて、魚採る気満々である。というわけで昨日の磯。今日は3人とも後ろに引っ付いて魚を探している。

変わったチョウチョウウオが居ると言うので見に行けば、わずかにあるテーブルサンゴにヤリカタギが数匹居ついているが、粘っても採れそうになく、パス。クロユリが二匹居たので手を出そうとしたら、珍しい魚が居たとばかりに長女が私の背中をたたいて指をさす。「おお、あれはクロユリや....」しかしその先に居たのは、アカハチ。これだけでもここに来た価値あり。

これで、十分と思っているところに、ツノダシ2匹発見。フィンを着けない私にはツノダシ採るには少々体力が必要で、沖の方に回り込んで浅瀬に追い込む。岩陰に隠れこむまで粘り、何とか一匹ゲット。一旦見失ったツノダシを同じ方法で大岩の下に追い込むと、その下に居たのはサザナミ。

サザナミはそこから離れんやろうと高をくくって、後回し。しかし、大岩の下というのは袋小路ではないので追い詰めるのが難しい。大小によらず石の下というのはどうにも採りにくい。

見失ってしまったサザナミを諦めきれずにいるところに、とうに泳ぐのに疲れて一人上がっていた次女が潮溜まりで捕まえた魚を見て欲しいと呼んでいる。何を採ったのか問うもとにかく見て欲しいというので、上がってみると生簀の中には大きなサザナミ。かなり得意気である。

 

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サザナミヤッコ(5cm)
「天才美少女、10歳の女の子が採りました。性格良くて、金持ちで、人気者であるらしい。」  かなり少女マンガに影響されている。

 

魚採りは、気合も腕も根気も大事だが、たまたま魚と居合わせるという運も大事であると言って差し支えなさそうである。

 

 

f:id:sazanami-fmc:20180925181734p:plainナンヨウツバメウオは、珊瑚水槽に発生するセダカイソギンチャクを綺麗に食べてくれるという。

 

魚取りレポート2006 5.磯に漂う疲労物質

8月5日(土)、南紀に行きたかったが、仕事の都合で昼には帰宅せねばならず、迷いに迷って中紀しおだまり。

今年の中紀は、海藻ボウボウ。まだまだ、早いのか、今年も不調なのか。ネズスズメ、ミヤコキセンスズメ、ソラスズメはやたら多く、どの潮溜まりにも入っているという程であるが、採りたくなる魚が見当たらない。

2時間ほど、潮溜まりを転々と見ていくが、そのうち磯に漂う疲労物質にやられて、疲れてきた。特に綺麗な魚が現れないときには、磯に疲労物質が充満しやすいようで、だるくて早く帰りたくなる。

ちょうど本屋に行くと、便意を催すようなものである。条件反射でそうなるとか、紙やインクの匂いでそうなるとか、空間や姿勢の問題であるなど言うが、そんなことはどうでも良い。

足場の悪い磯を真夏の炎天下の中、2時間も歩き回ると、タフな私でも疲労物質にやられてしまう。わくわくするような魚に出会えば、アドレナリンの分泌で疲労物質に対抗でき、レアな魚をゲットすれば更にはエンドルフィンの作用で疲れを知らずに過ごせるが、今日は、アドレナリンもエンドルフィンも分泌なし。疲労物質にやられて、逃げるように磯から退散。

妻、セナスジベラ。子供たち、ネズスズメ、ミヤコキセンスズメ(逃がしてはいけない(>_<)
私、ボーズ(-人-)ナムー

魚取りレポート2006 4.とどめの右

7月26日(水)、今回漁港はパスして存分に潜ってみようという予定です。

まずはサンゴのないホーム磯。今年は数少ないミドリイシやハナヤサイサンゴまでもがほとんどオニヒトデにやられてしまったようです。先日サザナミヤッコ、ゲットの情報を得たので、サザナミを意識して探して行きますがめぼしい魚は見当たりません。チョウチョウウオナミチョウはやたら多いですが、他はほとんど見かけません。ハマサンゴにへばりついているオニヒトデなど駆除しながら泳いでいると白っぽいハゼが群れて泳いでいます。クロユリハゼにしては黒い点がありません。

これまで幾度となく翻弄されてきたハナハゼです。今回もまたちょっかいを出しますが、網が追いつかず逃げられてしまいます。四方八方、何も障害物がなければ網や手をかわして自由に逃げるので、去年までは成す術なしでしたが、今年は違います。待ち伏せ重視のフレキシブルなフレーム網から機動性重視のフレーム硬め網(いわゆる普通の網、自家製で多少は工夫していますが)で挑戦です。

慎重に採りやすい岩壁などの場所に誘導し、ここという場所で左手で右手に持った網に追い込むのまではいつもと同じですが、今回は最後にすばやく右手の網で掬い込みます。いわゆる「止めの右」というやつです。

 

ハナハゼ(5cm)
止めの右が効いたのかどうか、3匹ゲットできました。もう少し大きくなると尾びれが、ひらひらと伸びてくる。はず...

 

後半、まずは前回の砂浜周辺です。少しうねりがあり、透明度は今一です。ツユベラも採った縁起のいい場所ですが、綺麗な魚の影はなし。ナメラは相変わらず、亀裂の奥のほうに居りますが、邪魔になるガンガゼを退けている間に姿を消してしまいました。ここで粘るのは損と考え、早々に場所移動。何を狙うというわけでもなく、楽しく泳ぐという事を考えて、透明度の良い、波のない磯へ行きました。その無欲さがよかったのか、トゲやツノダシをゲットし、もうこれで良しというところにアカハチとハチ合わせ。

去年、寒い時期にさんざん粘って、ついには逃げ込まれてしまい、対策網まで作ってしまった因縁の魚です。しかも今回のは5センチ強と大きめで手ごわそう。例のごとく砂をかみながらテリトリーをぷかぷかと泳ぎ、驚かすとすばやく逃げていきます。去年作った対策網は小型のアカハチが石の下に隠れこんだところを捕まえる事を想定しているので、今回のように比較的大きな石が点在し、大きめサイズのアカハチには使えそうにありません。

駄目元で「止めの右網」でトライです。ゆっくりゆっくりと採りやすいポイント(浅い袋小路があればベストですが、たいていは石と石の間の待ち伏せ勝負ポイント)に誘導します。誘導に余裕をかまして逃げていくアカハチが勝負ポイントに差し掛かって、アカハチが「ヤバイッ」一瞬と惑ったとき、左の手で豪快に右手網に誘導し、止めの右。

今回は勝ちました。

 

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