Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2005 18.魚は追うべからず

今年は防波堤の採集にも力を入れていますが、フレームのしなりを無くした強化フレーム巨大網がこのほど完成し、その威力を試すべく10月2日の日曜日、早朝より家族で南紀の海を目指しました。

朝8時、とある漁港にて、岸壁に引っ付いてはいませんが、ハタタテダイが5匹くらい群れて泳いでいます。さっそく巨大網の登場です。4mのステンレス物干し竿の柄をめい一杯伸ばしてハタタテの奥に網を落とし、岸壁とで挟み撃ちにしようと目論見ますが、素早く横に逃げて網をかわし、どんどん岸壁から離れていってしまいます。巨大網はその大きさゆえ動きは遅く、岸壁から離れた魚には全く追いつけません。何度トライしても駄目。朝一で体力を消耗し、ハタタテは諦めました。

しかし、しなりのない巨大網の威力はすごい。岸壁にいるナミ、トゲ、フウライはまさに一網打尽。まとめて採れるという感じですが、今日のターゲットではありませんので、リリースします。そして、そろそろ別の場所へ移動しようとしていた時、妻が「ツノダシ居てる。」と言います。いつもハタタテをツノダシというので半信半疑近寄って行きますと、本当のツノダシでした。

巨大網の真価を試されるときがこんなに早くこようとは...漁港は若干の濁りがあり、はっきりとはツノダシの位置を確認できません。大体の目安をつけて一気に網を被せました。入ったか?どうや?ここで慌てて引き上げてはいけません。ゆっくりゆっくり岸壁に網を押し付けながら引き上げてきますと、確かに網にツノダシが入っています。焦るな焦るな逃げる隙間はないんやからゆっくり慎重に引き上げたらええんやと自分に言い聞かせて、途中引っかかる貝にも慌てることなく、ツノダシが手元に来るのをワクワクしながら引き上げてきますと、あっ!ツノダシ消えてます。虚しく濁った海中を見回してもツノダシの姿はどこにもありません。

ツノダシが網の中に見えたのは願望が生み出した幻覚なのか?どうにも納得がいきません。もしやと思い網を調べると、縫い合わせてあるはずの継ぎ目がほつれて大きな穴が開いてます。溶接機のパワーがないので何日も早朝に起きてフレームを溶接し続け、納得のいくフレームを作っても肝心の網が破けていては苦労は報われません。

泣く泣く漁港を後にして、次はホームの磯を覗きました。数日前に来たばかり、何も居ないと思いながらも、魚が入ってくるのは一瞬の出来事であり、その一瞬がこの数日間に起こったとしても不思議ではないというかなり強引な理屈に基づく妙な期待を抱いて潜りますが、何にも居りません。海から上がると妻が潮溜まりでクギベラを捕まえると粘っています。加勢してクギベラ一匹採ってホームの磯は後にしました。

いよいよ、今日のメインOFF会。しかし、思った以上に漁港やホームで時間を費やしてしまい、到着したのは昼を回っていました。場所は初めての磯。キクメイシなどのサンゴが点在します。そこでまず目に付いたのはメダカのような魚。5,6匹群れで泳いでいます。クロユリハゼのような、そうでないような。掬おうとすると一斉に穴の中に吸い込まれるように逃げていきました。ちょっと意地になり、追い出し棒を突っ込むと今度は噴出すように次から次へと飛び出てきます。小さいから簡単に掬えると思いましたが、なかなかどうして。追っかけても追っかけても追いつきません。

そんなに綺麗な魚じゃないので、あきらめようと思うのですが、ここであきらめたらこの数分間が無駄になるという退き際の悪さが幸いして、なんとなくわかってきました。遊泳型の魚は下の方から追ってしまうと加速をつけて逃げ切られてしまいます。それなら全く逆の方向、正面上から被せたらどうだろうか?これが正解。一瞬動きが止まって案外採れてしまうんです。コツをつかんで3匹ゲット。

その後は、目新しい魚を見つけられず、OFF会の集合時間2時になりました。お開きの時間も早く、成果にも満足できない私は、悪あがきで帰り際にもう一箇所寄りましたが、巨大なテーブルサンゴ城のスミツキを眺めただけで本日終了。寄り道したがために、どうやって城を攻略したらいいのか、またまた魚採りの悩みが深まってしまいました。

帰ってから、クロユリハゼのような魚を調べたら、やっぱりクロユリハゼでした。小さいと上下対象の三角の背びれ、尻ひれが不明瞭ですね。

 

 

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追っかけても魚は捕まらない..

 

 

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