Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2002 潮溜まりに見切り?

9月も下旬に入った。先日の採集でのムシ攻撃のダメージで、採集日記を書く気力も失せ、ホームページ更新も気が向かず、更には近場のタイドプールをいくつかまわるも、苔の多くなリはじめた潮溜まりは寂しく、必死に作った対ニジハギ用特製網や防波堤網まで海に忘れるてくる始末。かなり意気消沈していた。そして咬まれた所は痒かった。

9月23日、3連休最後の日。21日に購入したサーフィン用の長袖半ズボン一体型ウエットスーツを持って、いつもの磯へ向かった。今日は東日本海上に低気圧があるために北風が強く、海へ出るのは躊躇した。台風の時にも出掛けた私であったが、最近の空振りや、手作り道具の紛失、チョウチョウウオ水槽の全滅など不調が続き、腰は重かった。

ウエットスーツを着ての初めての採集。流石にこれを着て、潮溜まりを覗いて歩くのは服の窮屈さと、ベルトの重さもあり、かなりキツイ。熱中症を避けるためにも浅い潮溜まりでも這いつくばって覗いて回る事にしたが、これも結構疲れる。それに、浅い潮溜まりは茶色の苔が目立つようになり、どことなく夏場の華やかさが消えていた。

結局、今回は潮溜まりには見切りをつけて、背丈ほどの場所を転々としたが、そういった状況でウエットスーツは真価を発揮した。楽、寒くない、咬まれない。何時間でも水に浸かって居られそうで、疲れない。当然ではあるが、岡へ上がった時の寒さもないし、水の中へ入る時の歯のくいしばりもない。思い切って買ってよかったなあなどと思っていたところ、岩穴に白い3本線が、、、

黒い体に白の三本線といえば、サザナミヤッコ。やはり見つけたときの感激は特別。しかもこの場所は地形を良く知っており、8、9分、網に入ることを確信した。そこは背丈ほどの深さのサンゴ岩の岩壁にあるY字型の岩穴。まずは逃げ込まれたら厄介な下の岩穴への退路を断つために通り道に網を当て、後は持久戦。追い出し棒を使うとサザナミヤッコは上の左右の岩穴に交互に逃げ込み、時々穴の奥の方へ姿を消すが、やはりじっと隠れることはできずに直に出てくる。だいたいの行動パターンは見切れたという事で私は勝負に出た。一方の穴に追い出し棒を突っ込み退路を断ち、穴の入り口に姿を見せたところで右手で背後から網の方へ誘導、待ち構えていた下穴付近の網を一気に持ち上げて、サザナミヤッコは網に収まった。かなり慎重な作戦だった。

立て続けに、大きな岩の下にサザナミヤッコ発見。大きな岩天井の下に居るサザナミヤッコには慎重さより思い切りの良さが鉄則。なんせ、奥の方にも出口があるので慎重にやるとヒラヒラと逃げ込まれてしまう。あまり警戒していない最初が肝心であるが、どうしても慎重になり過ぎて躊躇し大胆にやれない私は網の入り口まで誘導しておきながらスルスルと奥の脱出口へ逃げ込まれてしまった。最後の思い切った一押しが足りなかったようだ。その後サザナミヤッコは大きな岩の間や下を転々とし、やがて姿を見失ってしまった。

それにしてもウエットスーツは楽。いつもの採集と疲労が違う。こんなイイモノがあったなんて、、、帰った後のウエットスーツの手入れにも力がこもった。

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