Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2002 人も魚も動かない.

和歌山でも紅葉の美しくなる11月中旬。いくらウエットスーツを買ったと言えども、海に潜りたいという気持ちは湧いてきません。11月17日は穏やかな秋晴れ、ミノカサゴのえさを採りに家族を誘いますが、みんな動きません。なんとか長女が付いて行ってくれるという感じです。「軽く潮溜まりを覗いてくるよ。」なんて言いながら、近くの磯へ向かいました。行くからには当然、期待は十分です。

早速、目をつけていた潮溜まりで一円大のチョウハン発見、色の深さといい間違いありません。畳一畳くらいの小さな潮溜まりですので、「見つけた=捕まえた」ようなものです。しかし、いくらこの日は穏やかといっても、11月。夏のように躊躇いなく潮溜まりに入り込んでいけません。磯足袋は夏と同じですが、長いズボンの裾とジャンバーの袖を捲り上げ、エイッという感じで潮溜まりに足をつけました。

この躊躇いのために、チョウハンから目を離してしまい、見失ってしまいましたが、「なあに、すぐ出てくるやろ。」と最初は余裕気に怪しそうな石を次々と除けていきました。しかし、一向に姿を現しません。「あれ、どこ行ったんや?」足も冷えてくるし、余裕もなくなってきました。片っ端から石を除けていきますがやっぱり出てきません。ここで、休戦。

別の潮溜まりに移動しました。そこでも青いスズメダイらしき魚が岩陰に逃げ込む姿を目撃しましたが、そこでもいくら岩を除けても発見できませんでした。ゴーグルで覗く根性もなく、仕方なく餌のエビ採りをした後、チョウハンの潮溜まりを覗いてみました。

チョウハンに気配を悟られぬように、こっそり近づき岩陰からそっと覗きましたが居ません。「夏なら出てきているはずなのに....」.などと悔しがっても、やっぱり居ません。水温が高ければ魚の動きも活発なので、驚いて一旦は隠れてもすぐに出て来ますが、水温が下がれば魚の動きはかなり鈍るようです。一度隠れ込むと少々の持久戦では捕らえられないでしょう。こちらが先に根を上げます。

夏には黙々と潮溜まりで魚を追いかけている娘もとっくに水辺から離れ、風を避けるように岩陰で座り込んで落書きして遊んでいました。

初冬の潮溜まり採集の鉄則
その一、磯足袋より長靴。
その二、手足を拭くタオルも欲しい。
その三、最初が肝心。見つけたら絶対目を離すべからず。
その四、楽しく採るにはやっぱり夏。普通の人は冬には行かない。