Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2003 ナベカについて

海水浴や磯遊びのときに注意深く潮溜まりを覗いていて、目に留まる魚といえばナベカでしょう。目を見張るほどの華やかさはありませんが、ハゼやスズメダイとは違って、ラメ入りの黄色の尾びれがとっても美しい。さかんに顔キョロキョロとさせる動きも大変愛らしく、白黒そして黄色の縞模様に至ってはタイガースファンにとっては喉から手の出るくらい欲しい魚であるに違いありません。

私の魚採りの歴史は、このナベカという魚抜きには語れないところがあります。採集を始めた頃、ナベカが潮溜まりで私の目に留まりましたが、これがなかなか捕まえづらい。石の下などの障害物を転々とし、初心者の私には実に動きが読みづらく、すぐに見失ってしまいました。そして、市販の四角い網では待ち構えて追い込んだつもりでいても、まんまと網と岩の隙間から逃れてしまいます。当然、網で追いかけても捕まるはずはありません。

 

変な名前のナベカ。
紀伊半島においては、日ノ岬を境目にそれより南では見かけなくなります。ナベカを採りたきゃ、紀北を探せと言われる所以です。阪神地区で見られると言うあたりが、いかにもトラ模様らしい。

ナベカは潮溜まり採集の師匠です。ナベカを捕まえるには、それなりの工夫が要ります。まずは、魚は待ち伏せた網に追い込んで捕まえるものという事を教えられます。ナベカを網で追いかけても絶対に捕まりません。網に収めるためには魚の動きを読んで、ここに網を置いて、こんな風に網へ追い込むという戦略を立てざるを得なくなります。

そして道具にも工夫が必要なことがわかるようになってきます。せっかく追い込んでも隙間から逃げられたのでは悔しいので、どんな網なら採れるのか考えざるを得なくなるのです。

今はナベカの方から勝手に網に入ってくるようになりましたが、3年前に採集を始めた頃は市販の網を振り回して、3度目の採集でようやくナベカを網に収めることができました。ナベカ一匹にかなり振り回されましたが、潮溜まり採集の基礎を叩き込まれたといった感じです。

今日は水汲みの合間に潮溜まりで見つけたナベカを捕まえ、改めてナベカについて考えてみました。 
(H15.4.29)

 潮溜まり採集の格言
    「しおだまり 師匠と言えば ナベカどす」