Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2003 網がない!?

土日になれば天気予報は決まって雨。いい加減、ここまで雨が続けば、お天道様に恨み言を言いたくなってくる今日この頃です。7月12日は曇り空ではありましたが、明日、日曜日は土砂降りかも知れないからと家族を説得し、今日も南紀遠征に向かいました。行く道中には、毎度の事ながら一分でも早く磯に着きたいという逸る気持ちを抑えながらの運転です。

結局、いつものお気に入りの磯は誰も居ないのですが、着いたら着いたで今度は一刻も早く潮溜まりを覗きたくて早足になります。たいていこんな逸る気持ちで潮溜まりを覗いても、これはという魚に出会ったためしはありません。

その日もやっぱり、見かけるのは既にうちの水槽に入っているお魚たちです。大きな潮溜まりの岩の下にミノカサゴがひっついていましたが大きすぎて水槽の魚が全部喰われてしまいそうです。

妻が岩の下にフウライチョウチョウウオを見つけたと言うので、昨日作った改良型必殺網を岩に被せますが、岩が大きすぎてなかなか持ち上がりません。網を大きく作ったのはいいのですが、大きな岩は人間の力では持ち上がるはずもなく、何ぼ筋トレをしても追っつきません。カサばっかりはって使えん網です。

一通り磯に潜った後、ボチボチ帰ろうかという時に、ある潮溜まりの穴の奥に逃げ込んでしまったチョウハンが気になって戻ってみました。居なくて元々の気持ちだったのですが、深い穴の付近でウロウロしていまして、これはいけるかもという気持ちが込上げてきました。いかに穴に逃げ込ませないか、という戦略を練るもむなしくチョウハンは身の危険を感じて穴の中に入っていきました。

半分ヤケクソになって強引に追い出し棒を突っ込んだら、別の穴からチョウハンが出てきました。その時点でも捕まえられるという感覚はなく、「ええいっ」という感じで、追い出し棒を振り回すと、一瞬そのテリトリーから離れました。この期を逃したらあかんという思いで巣穴への退路を手で塞いだら、チョウハンは戻ることができず、逃げ込む穴のない場所へ追いやられた訳ですが、ここで困った自体が発生しました。

手元に網がありません。嫌がらせのような感覚でもって、追い出し棒でチョウハンを追い回したので網が手元から離れてしまったのです。チョウハンは私の手のブロックを潜り抜けて穴に入り込むチャンスを伺っていますので、一時も目を離せません。

素手で救えるほどの技は持ち合わせていませんし、おーいと叫んでも誰にも届きません。意を決して、水面から顔を上げてあたりを見回しました。網を見つけ、手繰り寄せた時は、映画のヒーローが危機一髪の場面で武器を手にした瞬間に似たスリルと安堵感があり、興奮のうちにチョウハンは網に収まりました。

小魚一匹に今日もここまで興奮してしまいました。往復5時間はこの瞬間のためだったようです。

今日は帰りに、子供の幼稚園関係の飲み会がありましたので、写真撮影はできませんでした。カンムリベラ、ミナミハコフグ、ホンソメワケベラ、オトヒメエビペアそしてチョウハンという結果でした。

採集の鉄則: 磯では網を手放さない