Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2003 何でこんなに酔うんや

秋分の日の9月23日。昨夜は久しぶりにワインを飲んだので少し残っているような感じでしたが二日酔いとまでは行きません。天気もいいし、いつもの中紀のKに家族揃って出掛けました。

前回ニジハギと遊んだ時は、ウエットスーツを着なかったのでかなり寒い思いをしました。今回はウエットも着込み、地元Kでの採集にしては珍しく気合いが入っています。

早速、お気に入りの潮だまりから覗いて行きますが、天気もよくて、フル装備の時に限ってめぼしいものはいません。100円玉サイズのフウライは見つけましたが、まあ、後回しにするとします。

次は、背丈ほどの深さの大きな潮溜まり。1000円玉サイズ(500円玉よりかなり大きい)くらいのトゲチョウ発見。結構採りやすそうな場所です。着々と網に導くための準備をするのですが、どうも気分が悪いのです。潮溜まりで波もないのにおかしいなあなどと思いながら、そのまま続行。トゲチョウを網へと誘導....ん?、やっぱり何かおかしい、吐き気が...トゲチョウには逃げられましたが、追う気になれません。水面に顔を出して、マスクを外し、山を見ると、回っています。回転性のめまいです。

なぜなのかわからないまま、トゲチョウには拘らず、珍しく波のない穏やかな磯に出ました。ニジハギやシラコダイの姿をみますが、気分が悪くて捕まえるという気持ちがすっかり失せてしまい、とにかくポイントを見て回ろう、せっかく来たのやからもったいないという事だけで泳ぎ回っていましたが、すぐに限界が来て、陸に上がりました。

岩の上にうな垂れて座り込み、何でや、何でこんなに酔うんや、こんなんでは、魚採りなんかでけへんわ、どうすればいいんじゃー、私なりに考えぬきました。

波に酔わないための注意点

A.波の高い日は避けること
採集を実行するかどうかの一番のポイントだと思います。インターネットで波情報を収集します。2mあると、私は一分くらいでダウンします。そんな時は潮溜まり採集でしょう。
 
B.前日にあまり飲酒しないこと
やはり二日酔いになれば気分は悪いもの。前の日に飲み会があっても、飲み過ぎない強い意志をもつことです。私は負けてしまいますが...

C.睡眠は十分とること
たいてい徹夜明けとか殆ど寝てなくても、何もないときは快適に採集できるものですが、一度気になるとやっぱり、睡眠不足も原因の一つになり得ます。

D.体調の悪い日はできるだけ避けること
風邪気味のとき、睡眠不足が続いている時、過労状態の時、何も無理してまで魚採りに行く必要はないです。説得力なさそうですが..

E.できれば酔い止めを飲むこと
飲んでも酔うときは酔います。酔わないと信じたら効果は倍増します。

F.海の中では下方は見ないように注意すること
下を見ないと魚は見つかりませんが、車に乗っている時など下を向いていたらやっぱり酔います。できるだけ見下げないことです。

G.頭の位置はできるだけ水平を保つこと
あくまでも「できるだけ」ということです。でなければ魚は採れませんから。何かの折にでんぐり返りなどしようものなら、酔いは一気に加速します。

H.背の足る場所で採集すること
足元が安定すると酔いにくいものです。それに浅いと視線も頭の位置も水平になりやすいです。

I .水中眼鏡の視界を保つこと
水中眼鏡が曇ったり、傷があったりして視界が悪くなると酔いやすくなります。ガラスの傷は日頃から注意しましょう。

J.気持ちが負けないこと
これが一番大事。「もう、あかん。」と思ったらそれまでです。しかし、無理に強がっても効果がありません。何か気分を変えるきっかけがあればいいんですがねえ。


そう、このきっかけが大事です。今日は無理せず、魚釣りでもしようかなと思っていた矢先、ギャラリーが現れました。海水魚を飼っているらしき家族連れです。うちの子供らは人見知りしないので、今日は捕まえていたフウライチョウチョウウオをその家族に見せに行き、お父さんが捕まえた、家でも魚を飼っている等々、知っている限りの魚の名前を挙げて得意げに解説しておりました。

チョウチョウウオって捕まえるの結構難しいんよな。」家族連れのお父さんが言った言葉を私は聞き逃さなかった。先ほど見逃したフウライチョウチョウウオとトゲチョウを夢中になって採りました。ギャラリーが現れると、意気込みがまた違ってくるものだと感じました。そして、気分の悪さは消えていることに気がつきました。

ということは、やっぱり、酔ってしまうのは、精神的な要因もあるし、考えようによっては、気持ちの持ちようで酔いも克服できるということです。いかに、魚を採るというモチベーションを保つか。これが酔いを克服する秘訣です。