Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2004 7.ミナミハコフグを採る

ここ数年、魚採りに行かない夏休はないと言い切れるくらいに必ず潮の干く日に休みを取ります。7月28日は南紀のホームグランドです。今季、よかったのは一回だけで、後は駄目なのです。魚が少ないです。年々少なくなってきているのではと不安になるくらいです。でも行くときは、今日は何か居るやろ、と期待しない日はありません。

しかし、磯へ到着後30分で熱い期待が、クールダウン。

潮溜まり採集中心の私は、着いたらすぐお気に入りポイントを一通り見て回りますが、捕まえたいと思える魚は何もおりません。2,3時間見て回っても居らんのです。

あまりに退屈になってきたので、先ほど、大きな岩の下でチラッと見かけたミナミハコフグにチャレンジしてみることにしました。別にミナミハコフグを軽んじているわけではないのですが、居た場所がなかなか採りにくいところなのです。予想通り、根比べの持久戦になりました。

たいていミナミハコフグは岩の下に居ります。ですから水中眼鏡がないとなかなか見つけにくい魚です。水に顔を浸けなくても、チョウチョウウオを追いかけていて、石を除けたらたまたま居てたと言うような運の悪いミナミハコフグも時々居りますが..

岩の下を覗いて、ミナミハコフグを見つけたとき、ミナミハコフグも必ずこちらを見ています。すぐに逃げるわけではなく、じっと考えているようです。まず、第一のチャンスはここ、ミナミハコフグが考え、ためらっている間に、さっと掬ってしまいます。

これが駄目なら持久戦です。ミナミハコフグは、ゆっくりと飛行船が動くような感じで逃げていきます。ためらいながら網で追っても、急加速して、ふわっという感じでかわされてしまいます。となれば、鉄則「採りやすいところまで誘い出してくる」ことになるわけです。

ミナミハコフグは、たとえ採りにくい場所に潜りこんでも、じっとして居れないので待てば出てきます。ちょっと待って出てきたら、同じ所へ引き返せないようにすばやく追い出し棒などで後方から威嚇するか、それとも潜りこんだ場所に追い出し棒などは突っ込んで「この場所は危険だぞ。」と思い込ませ、出てくるのをちょっと離れた場所から観察するか、あるいは弁当でも食って、しばらく放っとくか....

いずれにしても、ミナミハコフグを捕らえるチャンスは何度も訪れます。こちらをジッと睨みながらややこしい場所に身を潜められても、追い出し棒を突っ込んで威嚇しておくと、身の危険を感じ、こちらが少し遠ざかると警戒しながら出てきてその場所を放棄するので、そのときにスキあらばサッと掬います。チャンスがなくとも最後は袋小路に追いつめて行くという計画的なスタイルでゲットです。

今回のミナミハコフグも、大きな岩の下を何度も前後左右からアタックし、最後は袋小路に追い込みました。ミナミハコフグには表情があります。見つかったときの「げっ。」の表情、穴の奥から「もう、大丈夫かな?」と様子を伺う表情、追い詰められたときの「もうアカン。」絶望の表情。今回は絶望の表情を見ました。なんか、かわいそうになりました。

今日のお土産は、ミナミハコフグのみ。妻は、何かハギの幼魚、かなり苦労して採ったらしいのですが、それはすさまじいほどのリーフタンクの救世主だった。



それにしても、やっぱり今年は魚が少ない。マジで。

採集の心がけ 「ミナミハコフグは、見つけたら、なるべく、すぐ採る。」