魚取りレポート2005 13.防波堤採集に悩む
9月3日土曜日。台風の影響で波が高く磯は危険です。素潜り採集はあきらめて、南紀のホームで潮溜まり採集です。高波の浸入で潮溜まりも少なく、おまけに今日は風もあり水面が小波だって、上から眺めにくく、状況はよくないのですが、こんなに日に来てしまったのだから仕方ありません。
今年ももう9月。そろそろヤッコの姿でも拝みたいという時期です。今まで見つけたことのある岩穴や岩の下を覗いていきますがいません。今年はかなり遅いようです。
深い潮溜まりでは500円大のチョウハン発見。先日採ってますがあまり魚がないのでトライ。深い場所では全身を使って魚を採ります。右手でもつ網に左足で追い込んでゲット。プレッシャーのない状態ではやっぱり体もフレキシブルに動きます。その後トゲ、フウライ、ナミなど基本4種を採りました。基本4種は毎年同じ場所に同じ魚が入っているというのが不思議です。だから、サザナミヤッコも同じ場所を必ず覗くのですが、その辺はチョウチョウウオほどでなく、同じ場所で採ったことはありません。
今年は全般的に魚は少ないのですが、モンガラがやたら目に付きます。今日もムラサメ、クラカケ、キヘリが居ます。モンガラカワハギは...当然いません。今年は採っていないムラサメに狙いを定めましたが穴に入られお手上げ。待てど出てこないので今度はキヘリ。手ごろな穴が見つからず岩の下に硬直してへばり付いてしまいました。硬直するのは死んだふりだろうか、それとも解離を起こしているのだろうか、などと思いつつキヘリはゲット。
キヘリモンガラ(4cm) 白黒で渋め。トカラべラの風合い。 |
そろそろ潮が満ちてきて、うねる大波が壁のように迫ってきます。昼前には磯を後にしましたが、2週間前に採ったツノダシが未だに餌を食べないので、代わりといっては何ですがハタタテでも採りたいとの思いから漁港によることにしました。
そんなに期待はしていなかったのですが、いきなり居ましたね、ハタタテ。しかも群れで居ます。防波堤用の網で早速試みますが、すぐに深いところまで潜られ、まるで採れる気配がありません。子供は水面に浮かんでいるアオリイカの子供を食べたいから掬ってくれとしきりに横で訴えます。しばらく見ると別のハタタテ、今度は小さなサイズ。これならいける。網を一気にかぶせました。ヤッタ。網の中に入ったのを確認しましたが、引き上げるときに網の枠と防波堤の隙間から抜け出してしまいました。その後も何度かチャレンジしましたが、スレてきてすぐに深く潜ってしまうか、せっかくうまくかぶせてもやはり隙間から抜け出てしまいます。そして網はボロボロ。
せっかく網に入れたのに網と防波堤の隙間から抜け出てしまう。
牡蠣ガラで網も破れてしまうし、防波堤採集は難しい。
漁港第二幕はイトヒキアジ。7,8センチのイトヒキアジが2匹水面近くをぷかぷか泳いでおりました。クラゲを擬態しているという噂のイトヒキアジですから、動きも遅いだろうと観察していると、ものすごい勢いで小さなアオリイカを追いかけてたりしています。なんぼたくさん紐がついていてもアジはアジ。侮れません。いっその事飛び込んで捕まえようかしらと思いましたが、やめといてよかった。まず、泳いで追いかけて採れる代物ではありません。
そこで水面に近づいた一瞬を狙い、水槽の魚を取り出すようにイッキに掻っ攫う方法でトライしました。撒き餌が欲しいところです。待つこと10分、ついに射程距離にイトヒキアジが入ってきました。鳥が水面下にいる魚を採るかのごとく網を直撃。ヒラり....余裕でかわされ、二度と近づいてきませんでした。是非とも大きな水槽に入れたかっただけに非常に残念。課題の多い防波堤採集でした。
きらきら輝くイトヒキアジ。
クラゲの優雅さも併せ持つ。もう少し小さいサイズなら掻っ攫えそうだが、そこそこ大きいと釣るしか方法はなさそうである。次こそは写真を載せたい。