Shrink Fのブログ

精神科開業医が日々思うこと 〜あまり仕事とは関係ない〜

魚取りレポート2006 1.満足閾値

シーズン初め。待ち遠しくて4月早々から海に通う年と、なかなか行く気にならずに子供らから「海へ連れてって」とせがまれてようやく重たい腰を上げる年がありますが、今年は後者でした。
以前は綺麗な魚なら何でもいい。ソラスズメナミチョウもミヤコキセンもネズスズメも数のうちでしたが、この頃はそうは行きません。目が肥えたというか、満足の閾値が上がってしまったのです。それで、確実に出てきそうな、行っても空振りがないと思えるくらいの時期まで待ってしまいます。
6月11日、日曜日、今年初。行ってきました。

南紀のサンゴの少ないホームグランドの磯に着くと、雨が降っており、私以外は車の中で弁当食べて待機です。気の逸る私は早速大きな潮溜まりにダイブ。背中から入ってくる水が冷たいです。

海の中は海藻がまだまだ多く、地味なベラや二ザダイ、カゴカキダイが目立ち、ナミチョウがチラホラという感じ、春の海です。春の海といえば、キンギョハナダイを探しますが、見当たりません。今年は流れてきていないのか、既に採られてしまっているのか、などなど余計な事を考えながら、小さいサイズの魚をセコセコと採ってました。

 

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どの魚も、以前はそれ一匹だけで大満足でした。

上がってしまった満足閾値を越すためには、更にレアな魚を求めるしかありません。しかし、経験年数が増えるほどターゲットは減っていくので、閾値を越える機会も少なくなります。それゆえ、ますます稀になる「ひょっとしたら今日は出会えるかも」という期待を持ち続ける事(そして裏切られ続ける事)を、一番の楽しみとしていくのです。結果より、行く前の期待が良いと言う事です。

幸いにも魚採りというのはシーズンがあり、毎年決まって採っておきたい魚というのもあります。スーパーレアに出会って、アドレナリンを大量に放出しなくても、今回はこれらをゲットできたという事で、その次の楽しみくらいの満足(とりあえず採れて安心という、セロトニン系の)を得ました。

 

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妻が採ったベニイザリウオ。水槽の中でも、餌になる魚が近づくと両目の間にある釣竿の先に付いた疑似餌で魚を誘き寄せる動作をするのがとても興味深いです。